中田英寿

彼に、ボローニャは合わないのではないかにゃー。

僕は彼の長所は運動量とフィジカルコンタクトの強靭さと鋭いパスで、それから視野については広いというよりは「穴」を見つけるのが上手いんだと思うんですね。この特性が生かされるのは中央のトップ下だと考えます。まあ、現代サッカーにおいてトップ下は既に淘汰されつつありますが、選手の特性ってのはそんなことで揺るぎないというか、融通の利かない部分があって。もしボローニャが中田を中心としたチーム作りを考えるのであれば、彼はトップ下に置くべきです。

ところが、前節はいわばボランチで、よってより長くて強いグラウンダーのパスを出すことになってましたが、加えてボローニャの主力のほとんどは30を超えたオジサンばかりで、中田の受け手に優しくないパスはちょっと見ていて痛々しいというか可哀相になってくる。事実、前節では結果としてシニョーリを下げて4バックにし、中田の位置が上がったことで深い位置からのクロスが出てきたわけですな。捉え方によっちゃ中田がもっと優しい柔らかいパスを出せばいいんですが、彼の長所は前述の通りで、実はテクニックのある選手ではない。ロングボールの精度にも疑問。柔らかいパスが上手いのは俊輔ですよ。そのことを中田に要求する方が破綻する気がします。まあ、高い位置に置いたからといって鋭いスルーパスに反応できるおじさんがいるのか、というとちょっと微妙だから、冒頭で合わないんじゃないかと言ったんですけど。

ボローニャといえばここ数年シニョーリのチームでしたが、今季の彼は全く精彩を欠いていますから、当然システムの変更も視野に入れるべきで、だから中田を獲得したのかなあとも思ったんですが、やっぱりマッツォーネの趣味なのかしら…。マッツォーネの手腕は悪くないんですが、どうも彼は特定の選手を重用するきらいがあるように思うんですよね。

まあとりあえず今夜の試合見て、また色々考えてみます。