イラン 2 - 1 日本

守備はイランが思ったより攻撃に偏ってなかったんで基本ラインを高めに設定できた。でも三浦アツがほとんど効いてなくて、小野は割と真ん中に張っていて、守備に回るのが中村ということで、左サイドをマハダビキアやカリミの個人技でかなりやられたためにズルズル下がる場面も。危ないところで中澤が踏ん張ってはいたものの、そのせいで2失点目みたいなシーンが生まれちゃったり。高さを考えれば左右のフォローに行くべきは宮本なんだけど、今日の宮本はいわゆるアリバイディフェンスばっか。ゾーンで守っているふりをしながら見ているのはボールばかりで入ってくる選手を見ない、競らない、ドリブルで切り込んできてもチェックに行かない。ラインコントロールなんかは上手いんだろうけど、とりあえず4バックなら宮本ってのはあり得ないことを再確認。右サイドは加地のフォローに福西と中田英が動いて守ってて破綻しないでよくやった方だと思う。あとはボランチ含めて、ドリブルで入ってきた相手に対する対応の仕方に疑問。引いて様子見かよ。誰かチェックに行かなきゃダメだろ。加地の言ってた、引いて相手の攻撃を遅らせるしかないってこれのことか? ありゃ連携とかの問題じゃない。フリーでドリブルしてる奴を止めなきゃならんっていう、普通なら誰もが持ってる意識の欠如が問題なんじゃないですかね。

攻撃については、イランのCBがかなり低めにいて裏のスペースなんかなかったから、中央を使うにはFWにボールを収めて2列目に落とすとかしたかったんだろうけど、FWの2人がその役目を全く果たせない。ならばと加地を走らせて右からのクロスを多用するも、高さで負けていて競り勝つことすらできない。左サイドは三浦アツが上がってこないんで高原が張り出すのだけど、そこでクロスを上げても中でターゲットになるのはせいぜい福西くらいで(福西も最初はあんまり入ってこなかったけどね)、右サイドからの攻撃以上に高さが足りず、それで中からの攻めになると、CBやボランチのネクナムにチェックされてボールを取られるという。ミドルシュートも打てなかったもんね。FWの2人がもう少しだけでもマシならまだやりようがあったんだろうけど。そういう手詰まりの状況を更にぐちゃぐちゃにしたジーコの采配。玉田と高原の出来がヤバくて誰か入れるべきだっただろうけど、抜け出す動きに特長がある柳沢を裏のスペースがないところに放り込んだって仕方ないでしょ。得点には絡んだんでそこは評価したいけど、柳沢だったからこそのプレーではないんだよな。それ以上に、何で小笠原を入れたんだろうか。鹿島枠以外の理由が見当たらない。ハーフタイム中にミドルシュートを打っていけって言ってたらしく、実際は2点取って中央の守備を固めた相手に打たせてもらえない状況だったわけだけど、それで小笠原のミドルシュートに期待したんであればため息が出るね。イランの予想していた攻撃の圧力もなく、更にカリミもダエイも下がってて1点取らなきゃならないんだから、得意のシステム変更で3バックにして左サイドの位置を上げるとかだけでもまだ良かったんじゃないのかな。そうすりゃ中澤だって気兼ねなく上がれただろうし。

注目の中田英は今日のチームの中では機能していた方で、守備に攻撃にと動いていたものの、ボールを受けてからのキープであるとか展開に関しては一時の存在感なし。まあクラブで試合に出てなかったところをいきなりイタリア杯に週末のセリエAをやって11ヶ月ぶりの代表合流みたいな、疲労とか厳しい状況にあったのは間違いないのだけど、中村の出来がイマイチで、その原因が3-5-2のトップ下じゃなかったからだとしたら、今日の出来が中田英の全てなら絶対必要な選手ではないかな。この後のバーレーン戦にしたって疲労は溜まる一方だろうしな。

イランはジーコジャパン以上に個に頼ったチームで、こと攻撃に関しては連携もクソもなく、選手各々が好きなようにやってる感じ。崩されるとすれば個人技でぶち抜かれたときくらいなもんで、日本の選手が危惧していた連携レベルでさえ、ボールを動かされてどこかがフリーみたいな場面はほとんどなかった。ちょっとマドリー風味。チームとしては怖さを感じなかった。それだけに追いついたところで引き分けに持っていけるかなと思っていたんだけどなあ。

まあ、まだアウェーの1敗。追い詰められた状況ではない。バーレーン相手にしっかり勝てれば問題ない。次は小野が出場停止の代わりに田中誠三都主が復帰。今日は三浦アツ酷かったし、4バックが中田英が入ったためのシステムでないのならば、普通に3バックにしてやっとけばいいんでないの。三都主の左SBはやめてください。とりあえずそんだけ。