高校野球:駒大苫小牧、激戦の末13-10で済美を破り北海道勢初優勝!!

なんという試合…。観てるこっちがへとへとになっちゃったよ。

準決勝から当たりが戻ってきていたキャプテンの佐々木孝が苦しいところで何度も追いつき逆転するタイムリーを放って活躍。大会通じて打率7割を越えたキャッチャーの糸屋も3点リードされた直後の攻撃でツーラン、8回にもダメ押しとなるタイムリーを放って、打撃で投手陣をカバー。3番2年生の林と4番の原田は見事な選球眼でその糸屋、佐々木孝に繋ぐ。7番桑島は7回に佐々木孝のタイムリーの直後に決勝打となるタイムリーで続いた。9番2年生の五十嵐は持ち前のバットコントロールで12球粘ってしぶとくヒットを放つ。本当に切れ目のない打線。大会前はここまで打つとは思ってなかったんで、なんつーか、ナメててごめんなさい。

守備も見事。センター桑原の2度に渡る好返球やレフト原田からショート佐々木孝の見事な中継で、相手に行きかけた流れを絶てば、キャッチャー糸屋も身を呈してのブロックで好返球をしっかりアウトにした。大会通じて失策1つというのは見事というほかないね。北海道勢は今まで守備の乱れから大きく崩れることが多かったんだけど、基本をしっかり練習してきたんだろうなあ。両チーム合わせて39安打の乱打戦でもダレた試合にならなかったのはこういう部分がしっかりしてたからだと思う。

10失点と今大会ではもっとも打ち込まれた投手陣。岩田はどうも指を痛めていたようだけど、さすがに力みすぎててコントロールが定まらず、カウントが苦しくなって甘いところに投げた球を打たれちゃってた。2回途中、2死満塁で後を引き継いだ鈴木も2つの押し出し四死球で、ここまで5失点。正直「やっぱり北海道は勝てないのかな…」と弱気になってしまいました。けど3回、4回を抑えたピッチングは見事。あそこで何とか踏ん張ったから、裏での逆転劇が生まれたんだと思う。後半は鈴木本人が言うように完全にスタミナ切れだったけれども気迫のピッチングで味方の反撃を待った。春に肘を故障して、投げ込みを始めたのは地方大会に入る直前だったというから、本当にしんどかっただろうけど、粘り強い投球を続けてくれた。鈴木は打撃でもいいところを見せてくれたしね。

9回表2死一・三塁、バッター鵜久森の場面はちょっと気が触れそうになった。いや表現おかしいけど。あいつのスイング高校生じゃないよ? 打球の速さ、あれ何? でも心はやっぱり高校生というか、初球から打ちに行こうって力みすぎてたね。高く上がったフライはキャプテンのグラブの中へ。その瞬間、泣きはしなかったけど、それからずっと右まぶたがピクピクしてました。

熱闘甲子園のエンディングで、優勝した駒大苫小牧の選手の名前が出てこなかったから「あーどうせ済美勝って鵜久森をスターに祭り上げるつもりだったんだろ、そうですよねそうですよねー」なんてちょっと卑屈になってしまったんだけれども、後で考えれば、このチームは絶対的なエースがいるわけでもないし、誰がスターということじゃないんだけれども、みんながみんな自分のやるべきことをしっかりやってくれたから、その結果優勝できたんだと思う。心からおめでとう。感動をありがとう。

最後にどうでもいいことを。みんな北国だとか雪がどうとか冬の厳しさというハンデだとか言うけど、苫小牧ってまあ寒いことは寒いんだろうけどあんまり雪降らないよ?