日本 2 - 2 ラトビア

ワンボランチはきつい。

ラトビアは高い位置から囲い込んで積極的なプレスをかけるんだが、センターラインを越えられるとまず戻りを早くしてゴール前を固める。その前にMFが網を張って、ボールがサイドに流れたら極端に寄って追いやる。そこでボールが奪えたらカウンター。ボールが前に入ったらFWはそのまま持ち上がり決定機を作れればそれでよし、ダメでもMFが盛大に上がって波状攻撃。ボールを奪われたら前から囲んで、そこを抜かれたら全体が下がる、の繰り返し。攻守の切り替えはかなり早く、これは全体の共通意識がしっかり根付いてるからだと思う。まあ、高原のゴールの場面ではなんか抜けてたけど。

日本は中田英、中村、松井の関係が良好。基本的には中田英と中村がボールを裁き、松井はサイドに張り出す形だけど、状況によってこの3枚が位置を替えつつFW含めてパス交換。ただ松井が左に張り気味なのでプレーエリアが左側に寄り過ぎな感もあった。ここで駒野が思い切ったオーバーラップを何度もできれば良かったんだが、後ろがね…ボロボロだったんで、かなり勇気が必要だったんじゃなかろうか。上がってきたときは比較的チャンスになるのだが。

守備ではラトビアのシンプルな縦サッカーにかなり手を焼いた。稲本は守備に運動量の多い選手ではないし判断もやや遅く、中盤の底を1人で支えるほどの能力は持ってない。相手のFWはこのボランチとDFの間でボールを受けることが多く、ここのケアを稲本ではなくDFがやる羽目になってた。それで追いついても相手が既に前を向いていたり、落下点で競っても勝てずで危ない場面が何度か。それ以上に、ピッチがかなり滑ることも手伝って田中・茂庭、それとGK土肥*1に展開力がなく、ボールを奪ってからのパスが近くなりがちで、選択肢がSBと稲本しかなかった。早い時間は中田英や中村辺りも下がって受けに来てたんだけど、次第に運動量が減って戻らなくなってからは、これでは相手としても抑えやすい。もっと縦に入れようにも質を欠きインターセプトされるとか。そこで慌てて駒野がスライディングやらクリアやらって場面が何度あったか。今回駒野にはかなり救われた感がある。

まあ2点取られる前に3点4点と取っておけばいいって考え方もあるだろうけど、取れないでしょ。壁だもの。シュートコースもないし。そりゃまあ、FWの1枚がズラタンだったら取れてたかもしれんけど、今日のFWは柳沢と高原。2点取れたのはまあよく出来た方なんじゃないのかな。であれば守備を何とかしたいんだけど、まあ2失点目のミスなんかは論外だけどさ、低い位置から展開力のある選手かキープ力のあるボランチがいないと前からのプレスにはこうなっちゃう。日本には展開力のあるDFなんかいないので、ボランチにもう一枚誰かしら必要で、適正ならある程度落ち着かせることのできる中田英と、守備面で優れる福西あたりのコンビになっちゃうのかなーと思いました。

その他個人評など。中田浩二三都主に取って代われれば、なんて思ってたけど今日の出来ではどうなのかなあ。そりゃ守備面では三都主よりは堅実だけども、まともなボールが1本たりとも出てこなかった気が。下手糞になった? 2失点目のミスなんかもっての外。松井は良かったですね。フランスリーグは時々見てるけど、やはり成長の跡が見られる。以前のように持ち過ぎることもなく、とはいえ持てば持ち前のテクニックを披露。フリーランニングも激増。今日の出来ならば小笠原よりこっちかな。同じく海外組の大久保は途中出場で何もできなかった。ただ1本、オフサイドになっちゃったけどラインの裏を取った動きはなかなか。あれはパスの出し手(高原?)が遅いんであって、ラインの平行方向から回り込んで縦っていう上手い裏の取り方だった。次は先発で見たいが。

試合後のインタビュー、中田英が不機嫌だったのもご愛嬌。代表はプロじゃねえしな。

*1:土肥はセービングはたぶん一番なのになあ…バックパスが出ただけでヒヤヒヤするGKは個人的には嫌だ