カズ・ゴン代表復帰!ジーコ仰天人事

消化試合って言うけどさ、野球のリーグ戦のごとく国際Aマッチを多く組めるわけでもないんだから、テストっていうのはできるときにやっておかないとダメなんじゃないのと思う。若手を呼ぶでもいいし、今までベンチ入りしながらろくに使われなかったメンバーを実戦で使ってみるでもいいし。怪我が怖いっていうのは一理あるけれども、ここでいう消化試合の意味合いからすれば「怪我するほど頑張る必要もない」ってことも言えるわけだしな。それでも怪我しちゃうことはあるんだけど。

それ以上に、個人的にもそりゃまあ、カズやゴンあたりが現在代表に呼ばれていいプレーができるだけのポテンシャルを持っているとは思えないんだけれども、未だ「代表から引退する」という明確な意志を表していないベテラン選手に対して一方的に引退試合という位置付けの試合を押し付けることに、あるいはマスコミがそう報道してしまうことに不快感を覚えました。

引退試合の舞台は公式戦、しかも国際Aマッチでないとっていう考え方もよくわかんないですね。功績を讃えるならその選手生活の終わりにまず功績を讃えるべき試合を組もうという動きがあってから、日程が組まれるものなんじゃないのかなと思うし、その功績を讃える試合において、国際Aマッチだろうがチャリティーマッチだろうが価値の優劣はないだろうと思うしね。例えばW杯予選となんでもない親善試合とで比べたとき、試合だけを見ると重要度っていうのは当然違うけど、重要度が引退に際した名誉の大きさの違いに繋がるとも思えないんだよね。選手が偉いのはある1試合頑張ったからじゃなくて、それまで積み重ねてきた功績が評価されるから偉いんだし。

それとは逆の意味で、代表における引退試合を現在の代表の舞台でやる必要なんかないと思うな。仮に次の試合カズとかゴンとかいう選手を呼んでシンガポールに負けたとしたら、日本には「たかが」シンガポールに負けたという記録が残り、その記録を見た人間が「あの試合は引退するような選手が出てたから仕方ないよね」なんて思ったら、呼ばれた選手にとってこれ以上に不名誉なことはないでしょ。加えて挽回するチャンスもない。勝てば「やっぱりあのカズだった」みたいな持ち上げられ方をするだろうけど、栄光になるか恥になるかわからんような、勝敗がそのまま歴史に残るような試合は引退試合にしちゃいけないんですよ。

こんな言い方はアレかもしれないけど、往年のスター選手同士の現役時代を思い浮かべながらプレーする姿を見るのがいいのであって、やるんならミョンボさんとか呼んでさ、90年代のアジアサッカーを彩った選手たちを呼んで日本対アジア選抜とかやりゃあいい。カズは偉大だとか言うんならそのくらい大掛かりなことをやってもらわないと割に合わないとすら思う。で、そういう試合がいいなあと思うから、なおのこと現役でプレーを続ける選手に引退試合しようぜと持ちかける考え方がよくわからんのです。