アジアカップ:日本 1 - 1 (PK 4 - 3) ヨルダン

書き直しました。多少は見やすい文になったのかな。(おりたさん、紹介している文と今書いた文章とではかみ合わないところがありますんで、よければ修正お願いします。)

前半立ち上がりから各選手の動きがどうも重い。理由は明らかで、4戦連続同じスタメン&ほとんどがフル出場であることから来る疲労の蓄積でしょうな。まあジーコの主張からすれば、ターンオーバーなんて使われる選手にも対戦する相手にも失礼だから、どんな状況でもこちらの全力をもって試合に臨むってことなんでしょうけど。要するに控えのメンバーはろくにテストもされずに「実力不足」の烙印を押されたと言ってるも同然だし、出ずっぱりの選手にとってもたまったもんじゃない。それで悪い内容だったら「〜は最悪だった」なんて言われちゃうんだろうしね。でも俺は言うよ。

ヨルダンは、個人的には予選リーグではオマーン・タイ・イランのどの試合を見ていても相手に怖さを感じなかったんだけど、今までの相手とは一味も二味も違った。組織の約束事が徹底されている(ボールを持った相手への人数をかけた「サンド」とか、サイドにおける上下の位置関係とか)し、スピードもあって何よりプレーの精度が段違い。特にDFのプレーぶりは確実そのもの。さすがに予選リーグ無敗で来ているだけのことはある。ごめん、正直ナメてた。ただ、さすがにあの動きが90分間続くだけの体力はないみたいで、日本としては前半のうちに同点に追いつけたのは大きかった。後半入っちゃうとバテてても引いて守ることはできるからね。その際リードされているのと同点なのとでは、それはもう意識の問題としても大きく違う。

三都主と加地の両サイドはこの大会通じて全くいいところがない。体のキレにしろ、前に行く意識にしろ、他の選手なら「疲労だな」で言い訳もつくんだけれども、彼らの場合はじゃあ大会始まった時点で疲れてたんだ、なんてことにはならない。中盤の流れとして今の日本代表は左からの展開が多いんで、とりわけ三都主のパフォーマンスの悪さは見るに耐えない。ほんとにどうしちゃったんだろうか。そんな状態が続いていたもんだから疲労の溜まった今日の試合なんかは最悪で、動きの問題どころでなくボールタッチ・ボールキックの精度があまりにも酷かったですね。こんな状態の彼を使い続けるジーコもおかしな奴だなと思うけど(決して選手へのフォローではない言葉だけどね)。加地はなんつーか、目立たない。多分プレーエリアに中村がよく流れてくるんで、その辺りの連携が全く出来てないんだろうな。それでようやくボールを持ったと思ったら軽いプレーでボールを奪われたり。そりゃ大学生にポジション奪われちゃうよって話。

唯一キレていたのが中澤(川口はまあ別として)。サイドの守備が効かないんで深く切り込まれかける場面が多かったんだけど、確実に攻撃を潰しては自らもオーバーラップして攻撃参加。彼がいなけりゃ予選リーグ敗退も普通にありえる話だったんじゃないか。田中誠も良かったね。彼はまあタイ戦で45分間で退いたから、ほんの少し疲労のたまり具合がマシだったのかもしれないけれども、冷静な判断が随所に光った。大会通じて宮本が守備で活躍っていう場面が少ないのは宮本に「フォローに回る」っていう意識が強すぎるのか常に1列後ろみたいなところで守ってるからと思うんだけど(3バックでそれはちょっとなあってくらい)、それでもここまで2失点で来ているのは中澤・田中誠の活躍が大きい。あと福西ね。今日の福西は攻撃面では軽いプレーが目立ってイマイチだったんだけど、守備においてはいち早く攻撃の芽を潰そうとファウルも辞さない覚悟でやってくれていて、それが悪い方向に出るとイエローとかで逆に縮こまったりしちゃうこともあるんだけど、今日はそんなこともなかった。他の選手の軽いプレーでボールを奪われたあとのカウンターになりかける場面で本当に良く止めてくれていたと思う。

全体の流れとしてはまあ、冒頭に言った「体が重そう」の一言に集約されるんではないかと。フリーランニングとかいつにも増して少なかったし、プレー精度も全く良くない。中村はそこそこのボールを蹴れていたんで、どうしても中村に渡してからの展開になっちゃうよな。得点もセットプレーから。ただまあ、セットプレーだろうが流れからの得点だろうが試合における価値は一緒なんで、贅沢を言えばどちらもできるといいんだけど、もう大会が始まってる中でそんなことを言ってもいられない。

後半80分くらいから延長戦終了まではどちらも消耗しきっていて、特に注目すべき場面はなし。あの時間帯で枠にとんだシュートは日本の方が多かったと思うんだけど、あれだけ疲れてよく枠に飛ばしたとでも褒めたくなるくらい、見ていて痛々しかった。

その後のPK戦はまあ、川口神!!! の一言で全てが表せるんではないかと。宮本の抗議ですが、id:jian_si2003jpさんがおっしゃる通りで、芝の状態が悪いものを自分で選んだから最後までやるべきだ、みたいな変な信念はいらないだろと思うし、2DOWNの状況でエンドを変えるっていう変なタイミングにも抗議があって然るべきで、三都主は当然ちゃんと両者蹴ったあとにエンドを変えるんだろう、でもそうじゃないから俺はやり直しなのかな? と思ったんじゃないかな。あのことがヨルダン不利に働いたとは決して思わないけれども(中村が左、ヨルダン1人目が右、三都主が左、でヨルダン2人目が左ってことを考えれば、逆にヨルダン有利だったと言えなくもないと思う)、仮にその影響があったとしても抗議は正当なものだったと思います。

この勝利で4強進出。中にはこの劇的な勝利のせいでジーコジャパンに対する批判とか問題点とかが包み隠されちゃうんじゃないかと危惧している人もいますが、そんなことはないんじゃないかな。みんなだってバカじゃないから「内容は酷かったけどPK戦は素晴らしかった」ってわかってると思うんだけど。ジーコの解任に影響があるとかいうのは、この試合に勝とうが負けようがもう既にそんなものなかったと思うんですけど、不満を持っている人は信念を貫いて諦めずに批判し続ければいいんじゃないのかな。解任はなくてもその発言は未来にとって無駄にはならないと思う。それより包み隠されてるのは今日のテレ朝の実況・解説のヒドさだと思うんですけど(真顔で)。最初は角沢じゃないから大丈夫かなと思ったら松木に合わせてどんどんひどいことになっていった。

ちなみに。これでようやく重慶の大ブーイングから解放されると思っているアナタ! 安心するのはまだ早いよ?