五輪壮行試合:日本U-23代表 - ベネズエラA代表

ビデオ観た。ベネズエラはW杯予選でコロンビアとウルグアイに勝ったそうで、そんな強豪相手に世代別の代表が勝っちゃうんだから、もう金メダル間違いなしですね! あと後半から出てきたベネズエラのGKはたぶんGKコーチだと思う。

冗談はともかく、爽快な試合でしたね。FW4人がそれぞれ点を取ってるっていうのもなかなか観られるもんじゃない。まあベネズエラの方は攻撃には全く怖さを感じなかったし(日本が良かったとかそういう以前のレベル)、守備の対応は特にマンマークがお粗末ではあったんですが、それぞれのプレーは自分達の実力を出した結果だったと思うし、よく頑張った! 感動した! というところですか。個人的には、本当はこの試合も苦しみ抜いてそのまま「大丈夫なのか?」という危機感を持ったまま本番に挑んだ方が経験上いいような気はしたんですが、まあ野暮なことはいいか。とりあえず試合で気付いたこととか書いておきます。

前半の立ち上がりから20分くらいまでは決していい流れじゃなかったというか、これまでの試合と同じように何かをやろうとしすぎてる感があってうーん、と思ったんですが、平山のポストに当たるシュートがターニングポイントでしょうかね。あれによって一番変わったのが松井。それまでで一番いろいろ狙いすぎてて考えすぎてて、結果全体の流れも松井にボールが渡ると停滞しちゃうなあと思って観てたんですが、よりゴールに直結するようなシンプルな1本のパスで試合を動かせるようになった。技術は持ってるんだからあとは本人の意識次第でこれだけ上手いことやれるんだよね。大久保の得点をお膳立てしたパスは本当に見事だった。

今野が怪我明けでいきなりフル出場だったんですが、やっぱり守備に関してはモノが違うな。ボールを持った相手に対してただスピードを遅らせるんじゃなくて、その選手がそれ以上前にボールを出せないようにしていたというか。相手は後ろに戻すしかなくなる。個人的には特に前半20分の自陣左サイドで相対したときの守備は完璧だと思った。まず相手の動きを止めてから絶妙な距離を保ってて、もう相手はスピードにも乗れないし抜けないし中にクロスも上げられないしでそれ以上動けないのな。あの距離感はある程度経験でやしなわれるもののはずなんだけど、なんつーか熟練。もちろん高い位置でのインターセプトも健在。存在感が違う。…ちょっと褒めすぎか?

阿部が前半総じてイマイチだったんだけど、後半からの彼はジェフのときの阿部に近いものがあった。ジェフも大別すれば代表と同じようにトップ下が1人いる3-5-2が基本のシステムなんだけど、ご存知の通り羽生と佐藤勇人と阿部は絶えず走り回ってポジションチェンジしてってやるわけですよね。時にはサイドに張り出したりFWを追い越してみたり。どうも代表になるとシステムに囚われすぎているのか、あるいはそういう指示が出ていたのかはわかりませんが、ボランチの位置を気にしすぎている感じがしてて、結果リズムを失って起点やくさびとかっていう様々な役割をこなせるはずの自分を出せていなかったのかなと。今日の試合は時間が進むにつれてそれができるようになってきた。良くなってきた矢先の交代だったんで、もうちょっと観たかったな。もう「Y.ABE」を見て「矢部…」とか思わないようにするよ。

褒めすぎてもアレなんで「ちょっとなあ…」と思ったことについても。

闘莉王。もうみんな言ってることだけど最近熱くなりやすすぎだよね。闘志あふれるプレーっていうのはポジティブな意味で使われるわけだけど、最近は暴れ馬というか。イエローのこともそうなんだけど、オーバーラップについてもそうで、最終予選の頃はもっと状況を見極めた的確な攻撃参加ができてたと思うんだけど、最近は回数が増えるばかりで逆にボールを奪われてピンチです!みたいな状況もしばしば。しかも奪われたあとの戻りが遅い。下手な鉄砲数打ちゃ当たるで済むポジションではないですから、もっと状況把握に気を使って冷静にプレーしてもらいたい。

ついでに闘莉王のオーバーラップに対する周囲の動きも気になる。闘莉王やる気まんまんで腕振り回しながらドリブル突破図ろうとしてるのに、周囲の動きは停滞したまんま。ボランチの片割れは上がったあとのフォローに回るっていう約束事はできてるんだけど、特にFW陣だな、攻撃陣が闘莉王の動きに同調して上がってくれないから相手守備陣が残ったままで闘莉王が網にかかっちゃうのかなと。闘莉王の場合は正確なフィードも持ってるからオフサイドポジションを気にしてるのかもしれないけれども、彼がフィードを出すときはあんな腕振り回したりしません。空気読むタイプじゃないんでみんなが闘莉王くんの意志を汲み取ってあげてください。

他にもいろいろ思い浮かんだことあったはずだけど忘れちゃった。後でビデオ見返して思い出したら忘れた頃に追加します(?)。何はともあれ五輪本番直前の壮行試合としては女子も含めて最高の形になった。これで高まった気持ちを維持したまま初戦に臨んでもらいたい。